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認知症は認知ではない

認知症に魅せられている大阪所長の新地です。

看護師や介護職員などから「認知」という言葉が聴こえてくることがあります。

さてこの「認知」って何のことかわかりますか?

この言葉は認知症のことを言っています。

医療・福祉関係者に関わらず一般の方も認知症ではなく認知という言葉を使う方はいます。

今月は「認知症は認知ではない」というテーマでさせていただきたいと思います。

認知症とは認知症は「もともと正常だった脳が、病気や障害によって認知機能が低下し日常生活に支障が出てくる状態」のことをいいます。

認知症では物忘れのほか、判断・計算・理解・学習・思考・言語などの脳の機能として表現として認知機能という言葉を使用します。

認知機能が低下する

認知症の代表的な症状として記憶力の低下があります。

アルツハイマー型認知症による物忘れを例にですが、認知症は出来事の一部の記憶を忘れるのではなく、出来事そのものの記憶が抜け落ちてしまいます。

そのため食事を食べたが、その食事を食べたという出来事を忘れてしまい、「ご飯はまだ?」「お腹すいた。」など食後すぐに訴えることがあります。

その方にとっては、食事を食べたという出来事は記憶から無くなっているため普通の事なのです。

認知って?

では認知という言葉はとうでしょう。広辞苑によると「事象について知ること、ないし知識を持つこと。広義には知覚を含めますが、狭義には感性に頼らずに推理。思考などに基づいて事象に高次の性質を知る過程」と記載されています。

簡単に説明すると、物事をしっかりとみることです。

心理学辞典では認知とは,何かを認識・理解する心の働きを指す場合,その結果を指す場合,あるいはそうした認識を可能にする能力,構造,機構を指す場合などに用いられる語。と書かれています。

なぜ認知ではだめなの?

なぜ今回、認知という言葉をピックアップしたか。

「認知」という言葉の意味は障害ではなく、知的能力があることを示す言葉であるということです。それを考えると、認知の障害、認知機能の低下という表現を使うべきだとなります。

医療業界で、急性虫垂炎(盲腸)を「アッペ」・脳卒中を「アポ」などと略して使用することはありますが、「認知」に関しては本来の意味とは異なるため差別を助長するのではないかと懸念します。また、「認知」とう言葉を聞いてひどく馬鹿にされたような気分になり、気分を害してしまう家族様などもいます。

現在は認知症と名称が変わりましたが、以前使われていた「痴呆症」という言葉も差別や偏見をなくそうと経緯から変わりました。

何気なく使用している「認知」という言葉に対して、悪いイメージを持たれている方は少なくないです。

認知症の方や、そのご家族様を知らぬ間に知らぬ間に傷付けてしまっているかもしれません。

何気ない一言かもしれませんが、「認知症」と言うようにしませんか?

少しの意識を変えることで改善されます。

自分自身の何気ない意識しない発言で、誰かを傷付けるかもと責任をもって発言していただければ幸いに存じます。

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